直腸粘膜脱症候群と診断された直腸全周性ポリープの1例
高槻病院 小児外科、同病理部*  津川二郎、大村典子、尾藤祐子、畠山理、山本哲郎、岩井泰博*

症例は9歳、男児。平成15年2月頃より排便時に出血を認めるようになり近医にて直腸内視鏡施行され、下部直腸に全周性にポリープを認めた。生検にて炎症性ポリープと診断され精査、加療目的にて当院に紹介受診となった。直腸診にて下部直腸に全周性に軟らかいポリープを触知した。大腸内視鏡では、他の大腸に病変は認めず。経肛門的にポリープを切除した。病理所見ではfibromuscular obliterationを認め直腸粘膜脱症候群と診断された。1ヶ月後の直腸内視鏡にて病変部の再発は認めなかった。当科での始めての症例であり本症の病態、発生原因、治療など不明な点が多いので報告する。