腹痛発作を繰り返す4歳女児:診断は?治療法は?
神戸大学医学部附属病院 小児外科、姫路赤十字病院 小児外科*
長谷川智巳、前田貢作、久松千恵子*、安福正男*、大北 裕
昨年10月より腹痛発作を繰り返すため近医受診。精査をすすめられ血清アミラーゼの上昇が発見された。絶食と輸液のみですぐに軽快するも、腹痛発作を繰り返すため、MRCPを施行したところ、膵胆管合流異常症が疑われた。確定診断に至らないため、当科紹介となり、ERCPを施行。胆道拡張を伴わない合流異常症と診断できた。分流手術を予定していたところ、再度膵炎を来たし、加療中に肝機能障害、閉塞性黄疸が出現し、緊急手術となった。拡張した共通管に蛋白栓を伴う、合流異常症の所見であった。
本症例における診断と治療上の問題点について検討する。