11才女児、右下腹部の有痛性腫瘤
淀川キリスト教病院小児外科
中岡達雄、塩川智司、辻本嘉助
【症例】11才女児。【主訴】下腹部痛。【既往歴】右鼡径ヘルニア根治術(6才時)。【現病歴】2日前より右下腹部の鈍痛を自覚。急性虫垂炎の疑いで当院紹介受診。【初診時所見】全身状態良好。嘔気嘔吐なく食欲良好。体温37.4℃。貧血、黄疸を認めない。腹部は平坦、右下腹部に反跳痛、筋性防御を伴う限局性の圧痛を認めた。白血球数8300/μl(neut
49%、lymph 39%)、CRP 0.02mg/dl。超音波検査で、圧痛点に一致して3.5×4.0?大の充実性腫瘤を腹壁直下に認めた。腫瘤は尾側で膀胱、背側で子宮に接しており、呼吸性移動はみられなかった。診断および治療方針は?