先天性食道閉鎖症術後に吻合部狭窄を繰り返す症例
大阪府立母子保健総合医療センター小児外科
田中夏美、窪田昭男、川原央好、奥山宏臣、大植孝治、田附裕子、上仲永純
症例は2歳男児。他院にて食道閉鎖症C型に対し根治術が施行された。その後吻合部狭窄を繰り返しNissen噴門形成術と、内視鏡的バルーン拡張術を19回繰り返すも軽快せず当科紹介となった。当科でも内視鏡的狭窄部焼灼・拡張術を5回施行し、拡張術の際は瘢痕による再狭窄を防止する目的でMitomycinCの局所浸潤投与を行った。しかし拡張後ほぼ1ヶ月で再狭窄をきたした。保存的治療は限界と判断し食道狭窄部切除端々吻合を施行した。術後minor
leakageを認めたものの絶食のみで軽快した。経口摂取を開始したが、術後1ヶ月で再狭窄をきたし吻合部バルーン拡張術を施行した。更にその1ヶ月後に再狭窄を認め、バルーン拡張術を施行した。繰り返す吻合部狭窄の原因と今後の治療方針について討論して戴きたい。