2) 胎児エコーで見つかり画像上多様な変化を示した右上腹部嚢腫状腫瘍、何か?
北野病院 小児外科 渡邊健太郎、松川泰廣
同 小児科 上松あゆ美、高原賢守、秦大資
大阪市立総合医療センター 小児外科 吉田達之、中村哲郎

症例は女児で、在胎35週、胎児エコーで、右腎の上、肝臓の下に3cm大の単房性嚢腫を指摘された。妊娠経過中、母体・胎児に異常なく、在胎38週2日に帝王切開で出生した。出生体重2616 g、Apgar score 9/10。出生直後のエコー、CTでは、腫瘍はやはり嚢腫であり、大きさは不変で、嚢腫内に水面形成を認めた。各種腫瘍マーカーは正常範囲内であった。児の状態は安定しており、日齢10にいったん退院した。日齢35におこなった腹部エコーで、腫瘍は、大きさは不変だが、蜂巣状の多房性となり充実性部分も認めるようになった。再精査のため日齢47に入院しCT、MRI検査を行った。この腫瘍は?