11.  食道閉鎖術後の膀胱背側の嚢胞性腫瘤:尿管瘤?拡張尿管?

症例は1歳女児。39週0日、2456gで出生。C型食道閉鎖の診断で2生日に一期的根治術を施行、術後経過は良好であった。新生児期の腹部エコーで4度の左水腎症、尿管の拡張を認め、VCGで5度のVURを認めたが、無症状であったため予防的抗生剤投与にて外来経過観察としていた。3ヵ月時の腹部エコーでは尿管拡張は残存しているものの、腎盂腎杯の拡張は改善していた。6ヵ月時の腹部エコーでは水腎は消失、VCGでもVURを認めなかったため、予防的抗生剤投与を中止した。その後も尿路感染症状を認めなかったが1歳児にフォローアップの腹部エコーを再検したところ、軽度の腎盂拡張と膀胱内外の嚢胞性病変を認めた。腹部造影CTを施行したところ左腎の造影が不均一で左腎盂から尿管の拡張を認めた。診断は尿管瘤かあるいは下部尿管の拡張のみか。確定診断に必要な検査は何か。今後の治療方針はどうすべきか。