腫瘍


比較的頻度の高いものとして、仙尾部奇形腫、卵巣嚢腫、リンパ管腫がある。

仙尾部奇形腫


仙尾部・骨盤内に充実性腫瘤と嚢胞を混じた腫瘍像を呈する。
帝王切開により娩出後、直ちに腫瘤摘出を行う。

卵巣嚢腫:腹腔内の嚢胞性病変(通常単房性)を呈し、他疾患との鑑別を要する。胎児・新生児期に嚢胞の自然縮小をみることも多く、必ずしも手術適応とならないが、長期の経過観察が望ましい。大きい嚢腫(径5cm以上)や既に捻転をきたしているもの(MRIによる腫瘍内出血の診断)が手術適応である。
嚢胞内に沈殿物を認める(捻転後)


リンパ管腫:多房性嚢胞性腫瘤を呈することが多い。胎児水腫を伴う症例では胎児治療(硬化療法)の適応となる。胎児水腫を伴わない症例でも、頚部・縦隔のリンパ管腫では気道圧迫により換気不全を呈する症例があり、慎重な出生前評価が必要である。



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