胆道閉鎖症が疑われた低出生体重児の1例

12)重度の縦隔気腫・皮下気腫を合併し8歳女児・・・原因は?

 症例は8歳女児、受診3日前より38℃の発熱と中等度の咳嗽を認めたが、発熱は2日ほどで改善した。しかし前夜より頻呼吸、胸痛、呼吸困難感を訴えたため、来院した。明らかな外傷のエピソードはなかった。左頚部から前胸部にかけて握雪感を認め、心音は聴取しにくく、SpO2 はルームエアーで84%であった。胸部XPCTにて縦隔から頚部に著明な気腫をみとめるとともに、さらに前胸部から上腕・背部にかけ広範囲に皮下気腫を認めた。気胸は認めなかった。肺野はび漫性にスリガラス様陰影を認めた。顔面は浮腫状で、頸静脈の怒張を認めたため緊急入院となった。しかし直後に意識レベルが低下した。直ちに頚部・前胸部の皮下気腫ドレナージを施行し改善した。その後も縦隔気腫の改善はなく、その後、左気胸を併発し呼吸状態増悪し、胸腔ドレナージを行い、呼吸状態・顔面浮腫とも改善した。その後、全身麻酔下に気管支鏡を行うも、損傷部は特定できなかった。一体何が原因でこうなったのか?