2)膵仮性嚢胞術後に発症した胃重複症と思われる嚢胞性病変
症例12歳男児。6歳時、胃小網内の膵仮性嚢胞に対し、2回にわたり胃-膵仮性嚢胞内瘻化術施行、さらにオクトレオチドを使用し、術後3ヶ月で仮性嚢胞消失した。(第38回小児外科学会総会にて発表)。3年後の9歳時に、再発性膵仮性嚢胞に対して内視鏡的内瘻術を施行し嚢胞消失した。(第41回小児外科学会総会にて発表)
その後は膵仮性嚢胞の再発はなかったが、胆嚢内にコレステロールポリープを生じ、時々腹痛を訴えることがあり、超音波検査にてフォローしていた。その間、超音波検査で胆嚢左側に常時腫瘤陰影があったが胃幽門部と考えられ、CTで腫瘤と指摘されなかった。
本年6月上腹部痛があったため、膵仮性嚢胞再発を疑い超音波検査施行していたところ、以前よりあった腫瘤陰影は嚢胞状陰影に変化しており、粘膜層と筋層を有する嚢胞で、胃重複症と診断された。
診断は胃重複症で正しいか、膵仮性嚢胞との関連性はあるのか。