嚢胞性肺疾患


嚢胞像の分類



I型:1cm以上の大嚢胞、II型:1cm未満の小嚢胞、III型:echogenic mass

鑑別診断
CCAM、肺分画症とも以上の嚢胞像を呈し、嚢胞像からの鑑別は困難。また他疾患(横隔膜ヘルニア・気道系異常など)との鑑別も必要。肺分画症では在胎32週以降にLT比の上昇をみることが多い。


重症度の判定
LT比の計測、胎児水腫の有無・程度


胎内治療
I型病変では嚢胞の穿刺吸引により胎児水腫の改善がみられることがある。肺分画症、気管支性原性嚢胞では自然に改善することも多く、嚢胞穿刺の適応決定は慎重に行う。羊水過多合併例では早産の防止に留意。


治療方針
重症例(LT比0.26未満症例)では在胎36/37週に帝王切開。直ちに隣室で高頻度振動換気(HFO)、NO及入療法による呼吸管理を行いながら、手術準備を開始(早期手術)。LT比0.20未満症例では、予め人工肺(ECMO)の準備を行っておく。軽症例では待機的方針で望む。


当科での治療成績:11症例中9例生存。


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