第44回 小児外科わからん会

日 時 : 平成12年9月30日(土) 午後2時より
場 所 :梅田新阪急ビル12F スカイルーム(06-6345-4127)
世話人 : 近畿大学第二外科 窪田昭男
主題:なし
世話人まとめ
 小児外科わからん会の演題は実に種々雑多である。独善を恐れず分類するならば、次の5つになると思う。(1)まとまった症例報告で、そのまま論文にできるもの、(2)討議によって「あっ、そうか」「なんだ」と分かるもの、(3) 教訓になる失敗例、(4)興味はあるが、決定的な証拠に欠けていて論文にまとまりにくいもの、および(5)討議をしてもわからんままのものである。
今回の演題もおおよそ5つに分類できた。(1)には「液産生の著明な肝嚢胞の1例」(高槻、福富康夫)、「羊水過多にて気づかれた胎児症例」(阪大、田附裕子)がはいる。敢えて分類させていただくならば(2)の典型例は「腹腔内巨大腫瘤を呈した交通性消化管重複症の1例(巨大嚢腫型胎便性腹膜炎)」(愛染橋、棚野博文)であり、(3)のそれは「超低出生体重児の腸穿孔/ストーマか腸吻合か?」(こども病院、佐藤志以樹)が入る。いずれも聴いていて勉強になった。(4)の典型例は「水痘を契機に発症し、保存的治療にて完全消失した嚢胞性肺疾患の1例」(近大、野上隆司)。嚢胞性病変をきたしたのはvirusかbacteriaか?(5)の典型例は「胎便性腹膜炎の治療中に生じた肝障害」(総合医療センター、中岡達雄)である。TPNは安全に施行できるようになった。しかし、TPNが救命した原疾患自体がTPNと相まって肝障害をきたすという未解決の課題があることを再認識させられる。

プログラム

セッション1(14:00〜15:00)
          座長 大阪府立母子保健総合医療センター小児外科 奥山宏臣

1) 水痘を契機に発症し、保存的治療にて完全消失した嚢胞性肺疾患の1例  
      近畿大学第二外科:野上隆司、臼井規朗、平井久也、小角卓也、山内勝治、窪田昭男、大柳治正
2)「右横隔膜へルニア術後の換気不全、患側だけが悪いのか?」の続報
      大阪府立母子保健総合医療センター:奥山宏臣、八木 誠、大植孝治、池上玲一、神山雅史
3) 液産生の著明な肝嚢胞の1例
      高槻病院小児外科:福富康夫、安福正男、前田貢作、山本哲郎
4) 腹腔内巨大腫瘤を呈した交通性消化管重複症の1例−再手術の時期について−
      愛染橋病院小児外科:棚野博文、松尾吉庸、高橋英治
5) 3カ月男児、胆汁性嘔吐、腹腔内には嚢胞性病変;何を考えますか?
      大阪府立母子保健総合医療センター:神山雅史、八木 誠、奥山宏臣、大植孝治、池上玲一

アンケート報告(15:20〜15:30) 
                          近畿大学第二外科 窪田昭男
1) キャリーオーバー診療に関して
2) 新生児期major手術症例の外来フォローに関して

セッション2(15:30〜16:30)
                        座長 近畿大学第二外科 臼井規朗

6) 超低出生体重児の腸穿孔/ストーマか腸吻合か?
      兵庫県立こども病院:佐藤志以樹、津川 力、西島栄治、連 利博
7) 羊水過多にて気づかれた胎児症例
      大阪大学小児外科:田附裕子、鎌田振吉、野瀬恵介、宇田津有子、川原央好、木村拓也、岡田 正
8) 胎便性腹膜炎の治療中に生じた肝障害
      大阪市立総合医療センター小児外科:中岡達雄、中平公士、中村哲郎、東 孝
      春本 研、森内隆善
9) 胎児期には胎便性腹膜炎を疑われていた。出生後、鎖肛を確認。さらに・・
      大阪市立総合医療センター小児外科:春本 研、中平公士、中村哲郎、東 孝、森内隆善、中岡達雄
10) 頑固な便秘を呈するダウン症の兄弟例
− ultra-short typeのヒルシュスプルング病?−
      和歌山県立医科大学第二外科:瀧藤克也、谷村 弘、中谷佳弘、中森幹人

第39回小児外科わからん会より、プログラム・抄録・当番世話人まとめをHPに掲載することになりました。プログラムは決定し次第、抄録(施設名・演者名・空白を含め全角400以内)は発表時(もしくは後、なるべく早く)、当番世話人まとめは出来次第、事務局に、e-mailかフロッピーディスク(WinかMAC)でお寄せ下さい。


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