第40回小児外科わからん会

日時:平成10年10月3日(土) 午後2時より
場所:阪急ターミナルビル17階 (電話06−373−5790)
当番世話人:常盤和明( 京都府立医科大学小児疾患研究施設外科)
主題:なし
当番世話人まとめ(常盤和明)
 今回も前回と同様に主題を設定せずに演題を募集したところ,各施設で経験された興味深い症例が呈示され,白熱した討論が展開された.
 セクション1では,術後に生じた種々の病態と問題点が報告された.特に,多発性のCCAMに対する治療方針や食道閉鎖症術後の食道運動機能の障害についての報告は,臨床的に非常に示唆に富むものであった.
 セクション2では,まず,膀胱腸裂の症例における性の決定について熱心な討論がなされた.次に,小腸閉鎖と胎便栓症候群の鑑別,中心静脈栄養と肝機能障害,気管閉鎖の迅速診断と処置,コイン型電池による組織障害,幼児消化性潰瘍症例に対する治療方針などについて,いずれも有意義な討論がなされた.
 今回の世話役を通して,この会は文字どおり関西弁で行われるため,私自身を含めて関西に居住する小児外科医にとって非常に馴染みやすい会であることが改めて認識された.


プログラム

セクション1(14:00〜15:00)

司会:下竹孝志(京都府立医科大学小児疾患研究施設外科)

1)右肺野全体に広がるCCAM病変に対し、右肺下葉切除術を選択。右肺には病変が残存し、左肺にも病変存在? 今後の治療方針は?
大阪市立総合医療センター小児外科:春木 研、中平公士、竹内 敏、中村哲郎、東 孝、井上 隆

2)食道閉鎖症術後の4歳男児は吻合部狭窄解除後も何故吐き続けるのか
近畿大学医学部第二外科:山内勝治、窪田昭男、米倉竹夫、保木昌徳、廣岡慎治、小角卓也、守脇孝成、大柳治正

3)新生児期胃破裂と乳児期に腸軸捻転症の手術を受け18年後に腸閉塞を呈した1例
兵庫医科大学第一外科:土居 聖、豊坂昭弘、安藤達也、山中潤一、関 保二、岡本英三

4)心臓手術術後に大量下血をきたした1例
大阪大学医学部小児外科:澤井利夫、他

5)直腸狭窄・直腸尿道瘻術後に直腸背側に尿嚢腫を認めた一例
京都府立医科大学小児疾患研究施設外科・国立療養所青野原病院外科*:深田良一、加藤充純、下竹孝志、常盤和明、岩井直躬、出口英一*

コーヒーブレイク(15:00〜15:20)

セクション2(15:20〜16:30)

司会:出口英一(国立療養所青野原病院外科)

6)臍帯ヘルニア、膀胱腸裂、鎖肛を伴う男児例―性選択と治療方針―
兵庫県立こども病院外科:西島栄治、他

7)金曜日の決断:should be operated or not ?
大阪府立母子保健総合医療センター小児外科:大谷まり、八木 誠、米田光宏、北山保博、木村拓也、井村賢治

8)極小低出生体重児の腹壁破裂に対するAllen-Wrenn法+小腸瘻造設後の腸管機能と発育について
和歌山県立医科大学第二外科・小児科*:瀧藤克也、谷村 弘、中森幹人、岩橋 誠、平林直樹、浦希未子、南 孝臣*、樋口隆造*

9)羊水過多あり。出生直後、酸素をかがすと一瞬血色がよくなり、ヒーという声?がしたが、気管挿管不能で死亡した新生児部検例
大津赤十字病院小児外科・外科*:丹後泰久*、松川泰廣

10)コイン型電池を誤飲した乳児例−摘出後の治療について−
国立姫路病院小児外科:片山哲夫

11)幽門狭窄の4歳男児例
関西医科大学第二外科:八木清貴、浜田吉則、高田晃平、日置絋士郎

今回は、会場が変更になっておりますのでご注意下さい。


第39回小児外科わからん会より、プログラム・抄録・当番世話人まとめをHPに掲載することになりました。プログラムは決定し次第、抄録(施設名・演者名・空白を含め全角400以内)は発表時(もしくは後、なるべく早く)、当番世話人まとめは出来次第、事務局に、e-mailかフロッピーディスク(WinかMAC)でお寄せ下さい。


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