第48回小児外科わからん会プログラム


日時:2002年9月28日(土)午後2時より
場所:大阪産業創造館
    大阪市中央区本町1-4-5(TEL:06-6264-9800)
当番世話人:大阪大学小児外科 鎌田振吉
主題:なし
今回は13題の演題発表があり、活発な討論が行われた。演題1)は新生児の肛門隆起性病変に関するもので、病因として裂肛・痔核の意見が出た。手術適応は疑問で、自然治癒の例も多い事や軟膏塗布程度で経過観察とすべきという意見が出された。演題2)は胃壁に接した多房性嚢胞で、重複嚢胞より前腸嚢胞とすべきという意見が出された。演題3)は感染を伴う大きな腹腔内腫瘤で、病理組織的には仮性嚢胞であった。腸間膜嚢胞(リンパ管腫)が感染を来したという説に対し、有力な意見はなかったが、治療法に疑問も出された。演題4)は虫垂炎とSchonlein-Henoch紫斑病との鑑別が問題となる症例であった。演題5)は出血を主徴とする炎症性腸疾患でCrohn病・Behcet病との鑑別が問題となった。演題6)は脊椎・結腸・外性器の重複症を伴い、膀胱・腟・直腸瘻が見られるcaudal duplication  syndromeで、総排泄腔奇形という意見も出された。演題6)は合併するGERに対する治療法が議論された。演題8)は気管内腫瘤の鑑別が問題となったlymphomaの症例で、頚部リンパ節の生検により診断された。演題9)は珍しい舌腫瘤の例で、腫瘤摘除により脳組織の迷入と診断された。演題10)は肝悪性腫瘍の破裂を疑い右葉切除を行った症例で、結果的に肝膿瘍の診断であった。緊急手術の判断に議論がなされた。演題11)は組織学的に化学療法の奏功が確認されたが、比較的大きな腫瘤が残存する例で、手術適応につき議論がなされた。演題12)は出生前に発見された例で、大量のリンパ漏に対する治療、胎内治療につき議論がなされた。演題13)は梨状窩嚢胞とリンパ管腫等との鑑別が議論された。


プログラム

セッション1(14:00〜15:20)
            座長 大阪大学小児外科 臼井規朗

1)新生児の肛門ポリープ −疾患?−
北野病院 小児外科、外科*
門川佳央*、松川泰廣

2)左上腹部嚢胞性腫瘤
大阪市立総合医療センター小児外科
森内隆喜, 中村哲郎, 東 孝, 中岡達雄, 春本 研, 中平公士

3)2才女児の急性腹症 ―腹膜炎?―
神戸大学医学部付属病院小児外科
久松千恵子、田中亜紀子、前田貢作、大北 裕

4)急性腹症 −どうしたらよかったのか?−
近畿大学奈良病院小児外科
小角卓也ほか

5)回腸多発潰瘍から大量下血を来した11歳男児例−基礎疾患は?−
国立福山病院小児外科、小児科、消化器科、病理部
中井 弘、石田喬正、荒木 徹、竹本周代、岡田麻衣子、吉岡敏文、園部 宏

6)臍帯ヘルニア、恥骨離開、外陰部が二つある女児 −何でしょう?−
大阪大学小児外科、兵庫医大第一外科
神山雅史、澤井利夫、臼井規朗、鎌田振吉、飯干泰彦ほか

7)食道閉鎖症を合併した喉頭気管食道裂の1例
高槻病院小児外科
安福正男ほか

コーヒーブレイク(15:20〜15:40)

セッション2(15:40〜17:00)
            座長 大阪大学小児外科 草深竹志

8)右気管支腫瘍の1例
山口大学器官制御医科学講座(第一外科)
井上 隆、上田和弘、榎 忠彦、濱野公一

9)新生児舌腫瘤の1例
兵庫県立こども病院外科
井上 武、小野靖之、高見澤 滋、佐藤志以樹、西島栄治、連 利博、津川 力

10)肝腫瘍における緊急手術症例 −術前診断と手術方法について−
京都市立病院小児外科
岩崎 稔ほか

11)新生児仙尾部神経芽腫の1例 −治療方針は?−
関西医科大学第2外科、小児科*
三宅 岳、高田晃平、渡辺健太郎、棚野晃秀、浜田吉則、中野崇秀*、河崎裕英*

12)巨大胸壁リンパ管腫の治療法−切除後のリンパ漏をどうする?−
大阪府立母子総合医療センター小児外科
奥山宏臣、窪田昭男、川原央好、大植孝治、井原欧幸、野瀬聡子

13)生後2日目に急激に増大した左頚部腫瘤 −診断は?−
淀川キリスト教病院
吉田達之、加藤俊秀、塩川智司、辻本嘉助


第39回小児外科わからん会より、プログラム・抄録・当番世話人まとめをHPに掲載することになりました。プログラムは決定し次第、抄録(施設名・演者名・空白を含め全角400以内)は発表時(もしくは後、なるべく早く)、当番世話人まとめは出来次第、事務局に、e-mailかフロッピーディスク(WinかMAC)でお寄せ下さい。


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