診療案内

 当科では、新生児から15歳以下までの外科疾患の診療を行っています。また、小児外科疾患については15歳を過ぎても診療を行っています。一般消化器外科疾患ばかりではなく、小児泌尿器疾患、小児呼吸器外科疾患から、劇症肝炎に至るまでの広い領域が診療対象です。鼠径ヘルニア等の侵襲の少ない疾患に対しては日帰り手術を行っています。4カ月以上 の患児を対象に、毎週月、水、金曜日に行っています。鼠径ヘルニアや急性虫垂炎をはじめ、多くの疾患に対して内視鏡手術を行っております。ヒルシュスプルング病では開腹をせずに肛門切開のみの手術を行っております。

また、各領域の専門医を要しておりますので詳細は各専門領域をご覧ください。

小児外科で治療する病気




公費負担医療のご案内


小児外科における公費負担医療については、小児慢性特定疾患、育成医療、身体障害などがあります。当科には以下の資格を持つ医師がおります。制度の利用をご希望の方はご相談ください。

小児慢性特定疾患指定医
難病指定医
身体障害者福祉法指定医師(小腸機能障害、ぼうこう又は直腸機能障害)
身体障害者福祉法指定医師(肝臓機能障害)
身体障害者福祉法指定医師(呼吸器機能障害)


各専門領域へ
 ・低侵襲手術 
 ・新生児外科
 ・小児腫瘍
 ・肝・小腸移植
 ・輸液栄養代謝
 ・直腸肛門泌尿器



日帰り入院、付き添いについて

 当科では、なるべく園児、学童が学校を休まずに手術を受けていただけるように、日曜入院や日帰り入院を行っています。ご家庭の事情等で保護者がお子様に付き添えないご家庭でも、できるだけ手術を受けていただけるように付き添いなしの入院にも対応していますので、お気軽にご紹介下さい。


腹腔鏡下小児鼠径ヘルニア根治術について

(1)適応
 男児および女児の全てに対応しています。


(2)手術方法
 手術は従来の方法と同じく全身麻酔で行い、日帰り手術に対応しています。
 腹腔鏡という細いビデオカメラをおなかの中に入れて手術を行います。これまでの手術方法と手術時間はほとんど変わりなく、傷を小さくでき、同じ傷から両側を同時に手術できるという利点があります。



① ビデオカメラはおへその中を5mmほど切開して挿入します。
② おなかに炭酸ガスを注入して鼠径部の穴を観察します。
③ 器具を挿入するためにおへその横を3mmほど切開します。
④ おなか側から見ながらふくろの根元を直接糸でしばります。

(3)反対側の精査と治療
  従来の手術方法では約10%の確率で将来反対側のヘルニアが出現します。腹腔鏡下根治術では、おなか側から観察して反対側も穴が開いていた場合は同じ傷で同時に手術をすることが可能です。そうすることで将来の反対側のヘルニア出現を予防することができます。


(4)手術の危険性と再発の可能性
  再発率は1%以下で従来法と変わりありません。手術の危険性は創の出血や感染などですが、これも従来法と変わりありません。



日帰り手術について

 当科の日帰り手術は、手術日前日に入院後外泊、 翌朝に帰院し、手術を受けて退院していただく方式です ( 病院に泊まらない1泊2日入院 )。  
 日帰り手術の対象は、お子さまへの負担が軽い短時間で終わる手術や 全身麻酔が必要な検査などですが、原則として以下の条件を満たす必要があります 。

 ● 正期産で生後4ヶ月以降、かつ体重5kg以上であること。
 ● 大きな合併症がないこと( アレルギーの既往、喘息、定期的通院をしている持病など )。   
 ● 自宅より1時間以内で来院できること。

  一方で、手術や麻酔をより安全に受けていただくため、手術前の飲食制限や、帰宅後の様子観察などが必要です。ご理解のうえ、ご協力をよろしくお願いします。



日帰り手術の流れ

(1) 手術前日まで
 外来診察時に手術日を決めます。入院日は手術前日です。入院手続きをしてお帰りください。
手術前1ヶ月以内に 術前検査 ( 血液検査、X線、心電図 ) を受けていただきます。
検査の翌日以降~手術の前週までに、 麻酔科の術前診察 を受けてください。
 手術までは普段どおりの生活をしていただきますが、以下のことにご注意ください。

 ● 原則として手術前後4週間は予防接種が受けられません。
   万が一、予防接種を受けてしまった時や、手術前4週間以内に感染症
  ( はしか、水疱瘡、おたふくかぜ、風疹、百日咳、インフルエンザなど ) にかかったり、
   感染者と接触した場合は、速やかにご連絡ください。
 ● 風邪を引いたり、体調を崩した時は、早めにお近くの小児科で診察を受けてください。

(2) 手術前日
 手術前日 午前10時に、入退院受付にお越しください。入院病棟は、6階の子どもの森です(場合により変更となることがあります)。
 入院後は以下の手続きがあり、これらが全て終われば(おおむね昼前までには終わります)ご帰宅いただけます。

 ● 担当医師の診察。
 ● 担当医師が 手術内容を説明し、承諾書にサインをいただきます。
 ● 担当医師が 帰宅後および手術当日朝までの注意事項 ( 特に飲食 ) について説明します。
 ● 病棟看護師によるオリエンテーション。

(3) 手術当日
  手術当日は午前8時までに病棟に直接お戻りください。この時もし発熱や風邪症状などがあれば、手術を延期することがあります。
  当日朝までの飲食制限を必ず守って下さい。守られていない場合には、 麻酔の危険性が高まるため手術を延期することがあります。

  手術の時間になりましたら、医師、看護師とともに手術室に行きます。
ご家族は手術室の前まで ご一緒していただけます。手術中は病室かデイルームでお待ち下さい。
手術終了後に担当看護師と共に手術室までお子さまを迎えに行きます。

  病室へ戻って2~3時間後、麻酔からしっかり覚めたら水分を開始し、嘔吐やむせがなく、自排尿があれば点滴を抜去します。小児外科と麻酔科の各担当医による確認診察の後、退院です。
入院費用の精算、付き添い寝具の手続きなどは 次回外来受診時にお願いします。

(4) 退院後
  帰宅後は退院時にお渡しするパンフレットに従って過ごしてください。帰宅後に問題が起こったり、心配なことがあれば、当日~翌朝までは病棟、翌日以降は診察時間内外科外来にご連絡ください。

(5) 術後外来
  おおむね手術1週間目の外来を受診していただきます。この際、全身ならびに創部の診察をします。
その時の状態に応じて、その後の外来での診察予定を決定します。

  お子さま、ご家族に安心して日帰り手術を受けていただけるよう、万全の体制を整えております。
ご質問、ご希望等ございましたら、お気軽にスタッフにお声をかけてください。