第39回小児外科わからん会

日時:平成10年3月7日(土) 午後2時より
場所:薬業年金会館
当番世話人:前田貢作(愛仁会高槻病院小児外科)
主題:なし
当番世話人まとめ(前田貢作)
今回のわからん会は特に主題を設けず、各施設で難渋された症例を中心に討論していただいた。
セクションI では、心臓の横紋筋腫瘍や異所性膵をともなう前縦隔の奇形腫などのきわめて稀な症例が報告された。出生前診断された症例に関わる問題点は、最近新たに提起されてきたもので、確かな方針が得られていないだけに熱心な討論がなされた。
セクションII では、まず噴門形成術後にまつわる問題、くり返す腸重積症に対する手術法など手技的な討論がなされた。次に下血、血便を主訴とする疾患3題が続きいずれも興味深い討論がなされた。続いて巨大なリンパ管腫の治療経験について報告があり、最後は稀な経過をたどった臍ヘルニア症例の報告であった。
いずれの症例においても本会の主旨どおりの熱心な討論がなされ、意義あるものであった。


プログラム

セクション1(14:00-15:10)   司会:西島栄治(兵庫県立こども病院外科)

1.胎児胸部腫瘤の1例
大阪市立大学第二外科:上田正直、大野耕一、木下博明

2.13歳、重度心身障害児にみられた膵酵素高値を示す胸水貯留と高インスリン血症
大阪市立総合医療センター小児外科:春本 研、中平公士、竹内 敏、中村哲郎、東孝、中岡達雄、井上 隆

3.原因不明の新生児胆汁性嘔吐の1例
関西医科大学第二外科:佐藤正人、浜田吉則、高田晃平、日置紘士郎

4.稀な先天性多発性腸閉鎖症の一例ー 病因は? 根治術は? ー
淀川キリスト教病院小児外科:塩川智司、辻本嘉助

5.胎児診断された巨大腹部 Cystic mass の女児例
兵庫県立こども病院小児泌尿器科:谷風三郎、杉多良文

6.最近経験した羊水過少を伴った出生前診断の2例:出生前管理あなたならどうしますか?
大阪府立母子保健総合医療センター小児外科:八木 誠、井村賢治、川原央好、米田光宏、曹 英樹、田附裕子

7.下血を伴うイレウスの試験開腹の2新生児例
兵庫県立こども病院外科:棚野晃秀ほか


セクション2(15:30-16:50)  司会:前田貢作(高槻病院小児外科)

8.腹腔鏡下噴門形成術後に一歳男児は何故食べられなくなったのか?
近畿大学医学部第二外科:廣岡慎治、窪田昭男、米倉竹夫、保木昌徳、小角卓也、藤堂恵巳、村田由佳*、八木和朗*、宮田 曠*、吉岡加寿夫*

9.Nissen術後の食道裂孔ヘルニア再発症例
神戸大学医学部第二外科:久野克也

10.腸重積再発をくり返す例に対する回盲部固定術?
兵庫県立こども病院外科:毛利成昭ほか

11.頻回の腸炎をおこす虹彩異色症を伴ったヒルシュスプルング病の1例
兵庫県立こども病院外科:佐藤志以樹ほか

12.中腸軸捻転:Second look これでよかったでしょうか?
大阪府立母子保健総合医療センター小児外科:川原央好、田附裕子、井村賢治、八木 誠、米田光宏、曹 英樹

13.強度の腹痛と血便の見られた11歳女児ー 診断と治療について ー
奈良県立医科大学第一外科、兵庫医科大学第一外科*:金廣裕道、楯川幸弘、鹿子木英毅、中野博重、豊坂昭弘*

14.頚部・胸部・縦隔巨大リンパ管腫の切除後の問題点
大津赤十字病院小児外科:松川泰廣

15.皮膚が被覆できなくなった巨大臍ヘルニアの1例
高槻病院小児外科:松本文子、江村隆起、前田貢作、山本哲郎


第39回小児外科わからん会より、プログラム・抄録・当番世話人まとめをHPに掲載することになりました。プログラムは決定し次第、抄録(施設名・演者名・空白を含め全角400以内)は発表時(もしくは後、なるべく早く)、当番世話人まとめは出来次第、事務局に、e-mailかフロッピーディスク(WinかMAC)でお寄せ下さい。

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